清泉女学院大学/公開講座長野ロキシーで開催/ポーランド映画イーダ上映

プラネマン

2015年10月03日 23:46

今日10月3日に長野市の清泉女学院さんのオープンガレッジが日本最古級の映画館長野ロキシーさんで開催されました。


映画館の暗がりで…というタイトルで2009年から開催されています。

映画館で上映すべき内容が深い作品で商業ベースに乗り難い作品をピックアップして上映する企画です。


映画館と大学、学生と街、貸切状態でない一般の人もいるなかで映画の背景を清泉女学院さんの芝山豊教授が解説するという他にない有意義な企画で僕も毎年この企画を楽しみにしています。


今回選ばれたのはポーランド映画の「イーダ」でした。第87回アカデミー賞外国語映画賞受賞作品です。

予備知識なく見ました。ヒロインの少女アンナは院長から叔母の存在を知らされ1度も面会に来ない叔母に興味を持ち会いに行きました。

そこで少女の名前はイーダと言いユダヤ人であることを知らされました。イーダは叔母と両親の過去や自らの出生の秘密を知るために旅に出る話でした。


モノクロの画像がインパクトがありイーダの寝顔やサックス奏者とのベッドシーンは少女の持つ初々しさが出て美しかったと思います。

無駄な効果音もなくセリフも少なめで一言一言に重みがありました。叔母の大事な場面で流れたモーツァルトも印象的でした。

イーダと叔母は性格が正反対ですが叔母との旅や出会った人を通じて成長していく場面が良かったです。


映画の上映終了後に芝山豊教授による解説がありました。講義のお品書きとして…


ポーランドの歴史的背景について
イーダが描かれている1962年について
ユダヤ人迫害について
ポーランド映画の間テクスト性
歴史と向き合うこと
行きて帰りし物語…について解説がありました。


映画に描かれた1962年はキューバ危機があり社会主義に大きな変化があった時期でしたがポーランドはプラハの春が起きる6年前で社会主義の影響がまだ強かったこと…


ポーランドとポグロム(ユダヤ人への集団的迫害行為)についての解説、


公開講座の写真にあるイーダが中心からずれていたり登場人物が半分しか描かれていない場面についての解説、


コルトレーンやモーツァルトやインターナショナルについての解説、


イーダと他に有名なポーランド映画(灰とダイヤモンド)(尼僧ヨアンナ)との関連性など興味深い話が聞け自分1人で見ていたら理解できなかった場面がたくさんあったことを知りました。


清泉女学院さん、長野ロキシーさん素敵なコラボ企画をありがとうございました。それぞれが文化を発信して長野市を良くして欲しいと思いました。定期的に映画館の暗がりで…を開催して欲しいな…と思いながら帰りました。

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