今週土曜日ロキシーさん活弁上映

プラネマン

2010年11月11日 06:29

今週末NAGANO映画祭が開催されます。長野市内の3映画館を会場に開催されますが土曜日13日は長野ロキシーさんが主会場になります。いろいろなイベントが開催されて楽しみですが特に楽しみにしているのは活弁が開催される事です。

一般の人は活弁といっても馴染みがないと思いますが活動写真、無声映画などの上映中にその内容を語りで表現して解説する専門家の事をいうそうです。


僕が初めて活弁を見たのは2年前になります。当時相生座名画特集として小津安二郎特集があり小津監督作品が期間中6作上演されました。初めは何かモノクロの世界だな‥という感じでしたが結婚適齢期の父娘の気持ちに共感出来たり現代にも通じる人間の営みを見事に描いて期間中全作品を見ました。


小津安二郎特集のフィナーレと長野ロキシーさん設立90年のイベントとして「生まれてはみたけれど」が活動弁士澤登翠さんを招いて上映されました。チケットは完売して満員で熱気ある中で開催されました。


「生まれてはみたけれどは」は昭和7年の作品で小津監督の戦前に制作した代表作品であり日本のサイレント映画を代表する作品のひとつだそうです。大人の見る絵本というサブタイトルがついているそうです。


前半は開発される前の東京を舞台にある兄弟を主人公に子供たちの遊びを中心に子供たちの世界をユーモアに描いています。後半は主人公の兄弟が父親と友達の家に映画を見に行きます。主人公の友達をA君としますが子供の世界では主人公の方がA君より強いですが大人の世界ではA君の父親が経営者で主人公の父親はサラリーマンの関係になります。主人公の父親は映画の鑑賞中終始A君のお父さんに気を使っているのを見て主人公のお父さんは偉くないんだ‥とショックを受けます。サラリーマン社会の悲哀を子供たちの目を通じて見事に描いていてスクリーンに釘付けになってしまいました。満員で熱気が充満していた館内から表に出ると夜風が心地よく映画の全盛期はこんな感じだったんだろうな‥と感動的気分で帰りました。


あれから約2年半過ぎましたが再び活弁が見る事が出来て楽しみです。撮影技術も日々進歩して新しいサイレント映画が出来る事はないと思いますが滅多に見れない活弁を見る事が出来て嬉しく思います。13日は歴史ある長野ロキシーさんでレトロな活弁を見て古きよき時代の中の非日常的な時間を楽しみたいと思います。

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