NHKヒストリア 坂本龍馬暗殺のミステリー

今日5月8日にNHKで放送された歴史番組ヒストリアを見ました。今回のテーマは坂本龍馬暗殺のミステリーに迫る…でした。

今から146年前の1867年11月15日深夜に京都河原町の近江屋で坂本龍馬33才、元相撲取りでボディガードだった山田藤吉19才、中岡慎太郎30才が暗殺された事件がありました。

事件の現場となった近江屋は明治時代に解体され現在は石碑が残るだけですがカメラは幕末から残る近江屋と同じ作りの澤井醤油店さんに行きました。龍馬は近江屋では隠し部屋に住んでいましたが澤井醤油店さんには同じ作りの部屋がありました。

天井が斜めで低く刀が振り回し難い事や窓から逃げられるメリットがありました。龍馬はピストルを所持していて寺田屋事件では幕府の役人を2人殺しました。剣術の腕もエキスパートな龍馬が隠し部屋で暗殺されました…

京都国立博物館に残されている資料に龍馬がいた部屋の掛け軸があります。床から60センチ位の低い位置に血痕がありそれは掛け軸の前にいた龍馬の目線の延長上に伸びていて客と座って向き合っていたと想像されます…

近江屋の向かいに土佐藩邸があり何かあったら直ぐに同志が駆けつける事が出来ます。近江屋から裏のお寺に逃げる事は可能です。そんな刺客にとっては悪条件の中で座った状態で龍馬を暗殺した実行犯とは…


2、龍馬暗殺の実行犯に迫る…

下立売通りは幕末に幕府の施設が多く建てられました。近江屋から3キロ離れていたこの場所に龍馬が出没していました。

龍馬と共に暗殺された中岡慎太郎は2日間命がありました。中岡慎太郎は新撰組が犯人だと思っていたようでした。後に新撰組の近藤勇が斬首され土佐藩の藩士は新撰組が犯人だと信じていたようでしたが明治3年に今井信郎という人物は龍馬暗殺に加わったと言いました。龍馬を暗殺したのは新撰組ではなくて見廻り組という幕府の役人からなる警察組織でした。見廻り組は二条城周辺を警備していてリーダーは佐々木只三郎という人物でした。


なぜ見廻り組が龍馬を狙ったのでしょうか?佐々木只三郎は松林寺というお寺に下宿していましたが近くに幕府の高官の屋敷がありました。龍馬は幕府の高官と接触していました。暗殺から1ヶ月ほど前に大政奉還があり徳川家の扱いで意見が分かれていました。

龍馬は徳川家を新政府に入れようと活動していましたが寺田屋事件で同志を殺された見廻り組のメンバーにしてみれば宿敵が目の前でチラチラしているのは目障りでした。佐々木只三郎は見廻り組から精鋭を選びました。

その中で二条城の御前試合でずば抜けた剣術の腕を持っていた桂早之助が選ばれました。桂早之助は先祖代々二条城の門番を勤めていた身分の高くない家柄でしたが家柄を超えて抜擢され桂早之助の剣術の腕がいかに優れていたか分かると思います。

桂早之助は西岡是心流という剣術を使いました。西岡是心流はすでに伝承は途絶えていますが左手に小竹刀を使う特殊な二刀流でした。小竹刀は龍馬の隠れ家での接近戦で優れていましたが唯一の難点は桂早之助は人を斬った事がない事でした。


3、龍馬暗殺の瞬間に迫る…

幕府は当初寺田屋事件で同志が2人殺されているので龍馬を捕縛するように命じました。


事件があった11月15日には7人が捕縛に行きました。夜9時半過ぎに客を装い近江屋の戸を叩きました。偽名の名刺を渡して山田藤吉が龍馬の元に行っている時に見廻り組のメンバーは近江屋の中に侵入しました。捕縛目的で山田藤吉は見逃す予定でしたがメンバーが山田藤吉に見つかり仕方なく山田藤吉を斬りました。

桂早之助は太刀を右に置き敵意のない事を示しました。しかし山田藤吉が斬られた時に大声を出して疑心暗鬼になっていたりいつピストルを抜かれるか分からない緊張感の中で桂早之助は座った状態で奇襲をかけました。奇襲は見事に成功しました。龍馬の刀の鞘が外れるほど手強い剣術の腕前でした。


初めて人を斬った桂早之助は普段飲みませんがこの夜はべろんべろんになっていたそうです。見廻り組のリーダー佐々木只三郎は桂早之助に歌を贈りいつかこの行為が認められる…と励ましました。


龍馬は幕府を新政府に取り込みたかったので龍馬亡き後は必然的に幕府外しの動きが強まりました。そして鳥羽伏見の戦いで佐々木只三郎や桂早之助は死ぬ事になりました。

もしも坂本龍馬が生きていれば幕府も違った形で新政府に加われたかもしれないし見廻り組のメンバーも亡くなる事はなかったと思います。龍馬暗殺で自らの命や組織が崩壊して行ったのは皮肉だな…と思いました。

歴史の非常さを感じましたが見応えのある番組でした。


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2013年05月09日 Posted byプラネマン at 00:27 │Comments(0)NHK、ヒストリア

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