昨日1月12日にNHK、Eテレで放送されたサイエンスZeroを見ました。
2週連続で国際宇宙ステーションの特集がありその後編が放送されました。先週に続き宇宙飛行士の古川聡氏がゲストで出演しました。
先週の放送では国際宇宙ステーションは実験室だった…という内容でしたが今週は日本が国際宇宙ステーション内の研究で世界でリードしている分野は3つありその内容の紹介がありました。
1、解明、未知の流体現象、
味噌汁を見ると流体が見える事がありますがこれを熱対流というそうです。これは重力があるから起こる現象です。
マランゴニ対流は19世紀のイタリアの科学者によって発見されましたが地上では熱対流によってマランゴニ対流は見る事ができません。
上手く文章に出来ませんが無重力故にマランゴニ対流を調べる事が出来てこれを生かせば高度な半導体を作れると言われています。
2、目指せ難病の治療薬、
デュジェンヌ、筋ジストロフィーという難病は3500人に1人の割合で男子のみが発病する難病で現時点では治療薬がありません。
専門家が筋ジストロフィーの患者の尿を調査したところプロスタブランジンDという部質が普通の人の10倍含まれている事が分かりました。
筋肉を委縮させる部質の可能性がありこれを調べました。
体内にあるタンパク質に鍵がかかるとプロスタブランジンDが出来る事が分かりました。治療薬が偽の鍵の役割をしてプロスタブランジンDを作らせない研究をする事になりました。
しかし地上では重力の影響でタンパク質が歪んでしまい研究が出来ない状態でした。
宇宙の無重力状態で作ったタンパク質はきれいな形をしていて地上のタンパク質と比べると白黒テレビとハイビジョンほどの違いがあると専門家は話していました。
現在偽の鍵(治療薬)の開発中ですがサンプルを筋ジストロフィーの犬に投与してみました。投与した犬としなかった犬では11ヶ月後に大きく差が開きました。
人でも使えるように新薬を開発中との事です。
地上で研究すると何百種類の部質を当てはめながら研究しますが宇宙でタンパク質の正しい形が分かるとコンピューターで絞り出せ効率良く研究が出来るそうです。
3、変わる未来の食料事情、
人類が将来宇宙に進出するとき食料の調達が大問題になります。
火星の重力は地球の1/3で弱い重力で食物を育てられるかが重要になります。
1998年に宇宙空間で稲を栽培する研究が行われました。根や茎が全く別の方向に育って行ったそうです。
調べてみると細胞壁が弱い事が分かりました。細胞壁が植物を支えるので真っ直ぐに育ちますが細胞壁が弱いため真っ直ぐに育たない事が分かりました。
宇宙で育った芽を持ち帰り研究したところジフェルラ酸という細胞壁を丈夫にする補強材が地上と宇宙を比べると4日目までは同じですが5日目から宇宙産はジフェルラ酸が弱くなるのが分かりました。
重力が生物に与える影響を調べて宇宙で適用出来る食物が育つ日も近いと思いました。
最後に古川聡氏の話がありましたが宇宙飛行士に求められるものはチームの中で最大限にパフォーマンスを出せる力と協調性だと話していたのが印象的でした。
宇宙で殴り合いのケンカをすると相手を殴った力の量で自分も吹っ飛ばされる…と話していました。
古川聡氏は自分は日本人だと思っていましたが宇宙に滞在しているうちに自分は地球人だと感じるようになったそうです。
世界中で紛争が絶えませんが国を預かる人は宇宙から地球を見て欲しいものだ…と思いました。
とまれ人類の未来を背負った宇宙飛行士に頑張って欲しいと思った番組でした。