1月4日土曜日にBSフジで放送された辻井伸行×東南アジア紀行を見ました。
世界的に有名なピアニスト辻井伸行氏の東南アジアツアーを特集した2時間番組でした。
辻井伸行氏はシンガポールを初めて訪れました。エスプラネードホールでコンサートを開催するためでした。
ショパン晩年の幻想ポロネーズを中心にプログラムを組みました。
コンサートの前に辻井伸行氏はシンガポール動物園を訪れました。自然に近い形で動物を飼育していました。像の背中に乗りました。背中の高さは4メートルになるそうです。
コンサートホールは1800人で埋まりました。演奏後観客にインタビューすると「言葉にならない」など絶賛していました。
続いて辻井伸行氏は台北に行きました。6月にショパンのアルバムを発売したそうですが辻井伸行氏は占い師が集まる場所に行き占いをしてもらいました。結婚は2〜3年後という事でした。
辻井伸行氏はベトナムハノイに行きました。
ベトナムは長い間他国の統治下におかれクラシック音楽に触れる機会は少なく国を真っ二つにしたベトナム戦争から38年過ぎた現在も戦争の傷跡があちこちに残っています。
今回辻井伸行氏がベトナムを訪れたのはかつての恩師と再会するためでした。
ベトナム国立交響楽団指揮者の本名徹次氏は辻井伸行氏が10歳の時に出会い辻井伸行氏が初めてオーケストラと共演した時の指揮者でした。
本名徹次氏は12年前に楽団を預かりました。辻井伸行氏は楽団員の前でラフマニノフピアノ協奏曲第2番を弾くと楽団員の皆様は感激していました。
辻井伸行氏はメコン川のクルージングに行きました。メコン川はアジア6ヵ国を流れ2毛作、3毛作を可能にする母なる川です。
辻井伸行氏はハノイオペラハウスでコンサートを行いました。この会場は100年の歴史がありフランスの統治時代にはフランス人の社交場でした。
今回辻井伸行氏は戦下に苦しんだショパンの思いを外国の支配に苦しんだベトナム人に届けたい…という想いで望みました。
ドビュッシー月の光、
英雄ポロネーズ、
アンコールでそれでも生きて行く…を演奏しました。
続いて辻井伸行氏は60年前に設立されたベトナム国立音楽学校を訪れました。
この学校には民族楽器を学んでいる学科があり辻井伸行氏はそのクラスを訪れました。
ダンチャインというベトナムの琴やダンティバーという中国の楽器をベトナム風に改良した楽器などがありました。
タンバウという弦が一本の楽器がありました。恋人が相手に想いを伝えるように耳もとでささやくように繊細な音の楽器でした。
学生たちが「ベトナム、私のふるさと」という曲を演奏すると辻井伸行氏がリストのリコレット、パラフレーズを弾き返しました。
ベトナムの学生たちが辻井伸行氏の作曲した「それでも生きて行く」をベトナムの民族楽器で演奏しました。その繊細な音色に思わず熱いものを感じましたが辻井伸行氏もそれ以上に何かを感じていたと思います。
辻井伸行氏がピアノで弾き返すと感激で泣いている学生もいました。言葉も通じない初めて会った学生と辻井伸行氏が音楽を通じて1つになった感動的なシーンでした。
音楽は国境を超える!音楽の偉大さと辻井伸行氏の凄さを感じた2時間で見て良かったと思った番組でした。
ベトナムにクラシック音楽が根付く事と辻井伸行氏のさらなる活躍を期待したくなった番組でした。