11月28日にNHK、Eテレで放送されたらららクラシックという番組を見ました。毎回クラシック音楽の名曲を1曲特集しますが今回は特別編として楽器特集パイプオルガンでした。僕個人的には中学2年の時にバッハの小フーガト短調を聞いて感銘を受けました。田舎の中学だったのでそれっきりでしたがパイプオルガンの音色は神秘的で今回の特集は楽しみでした。毎回クラシック音楽ファンのゲストが登場しますが今回はタレントの渡辺徹さんが出演しました。渡辺徹さんのお父さんはアコーディオン奏者だったそうです。
番組は3つのテーマで進行しました。最初のテーマは風が鳴らす鍵盤楽器でした。
カメラハトウキョウにあるカテドラル聖マリア大聖堂を映していました。最大級のパイプオルガンで金属や木材のパイプが3121本、手鍵盤3、足鍵盤1と巨大なパイプオルガンでした。
パイプオルガンは鍵盤楽器ですがピアスとは音が出る仕組みが違いペダルから風を送るアコーディオンに近く現在のパイプオルガンは風送機で風をパイプに届け鍵盤を押すことでパイプに風が通り音が鳴る仕組みになっています。16世紀の技術書には人間がふいごで送風、鍵盤に風を送るスイッチの役割をしていました。人間の身体に例えるとふいごが肺、鍵盤が口、パイプが喉の役目をしていると解説がありました。
第2のテーマパイプオルガン2千年の歴史でした。
オルガンは紀元前3世紀のアレキサンドリアがルーツだと言われています。クテシビオスという床屋の息子がポンプで作った水オルガンが最初だと解説がありました。その後ローマ帝国にも伝わりコロシアムで拳闘士たちが闘う傍らでオルガンが鳴り響いていたようでした。
9世紀頃には教会の儀式で使われるようになり16世紀のルネッサンス時代には手鍵盤1、パイプ600本になったそうです。
17世紀バロック時代のオルガンコンクールがドイツのハンブルクに残りパイプが4千本、低音が充実、重厚なオルガン曲が出来るようになりました。
19世紀ロマン派の時代、パイプは7500本になり当時のオルガン職人は交響曲やオーケストラをオルガン1台で演奏出来るように研鑽しました。多様化と巨大化していきました。
第3のテーマは音色を決めるキーマンでした。
オルガンの演奏台の両脇にはストップと呼ばれるドアノブのようなものが並んでいます。フルートの音で演奏したい時はフルートのストップを引っ張ると音が出て大きなパイプオルガンだとストップが100種類以上あるそうです。いくつかのストップを同時に引っ張るとミックスした音が出て音色は無限大になり司会者が電子オルガンやシンセサイザーの先を行っていると語っていてなるほどと思いました。
最後にオルガニストの青田絹江さんがカッコウのスケルツォによるトッカータを演奏しました。カッコウの鳴き声に似た音が印象的でした。
続いてバッハのトッカータとフーガ、
バッハの育った街にはパイプオルガンがなく北部まで足を運び作曲したそうです。
最後にヴィエンヌのオルガン交響曲が演奏されました。司会者がパイプオルガンは1つのドラマを見ているようだ…と語っていましたがパイプオルガンの魅了が伝わった素晴らしい企画でした。