人間を超える人工知能

今回のテーマは人間を超えた人工知能についてでした。
将棋のプロ棋士と世界大会を勝ち抜いたコンピューターが対戦する電王戦が行われました。
今年の4月20日に三浦弘行八段対東大のゲームプログラム開発チームのGPS将棋が対戦しました。
まさか…三浦弘行八段がGPS将棋に破れる波乱がありました。
プロ棋士の頭脳を調査してみたところ直感で良い手を選択している事がわかりました。
それに対してコンピューター将棋は局面を数値化した評価関数を使っていました。評価関数とは手持ちの駒の多さで得点をゲット、さらに飛車角が自由に使えたら得点をゲット等得点が多い手を瞬時に選んで指していました。
1975年にプロ棋士対コンピューター将棋が初対決しましたが当時は評価関数が10しかなくコンピューター同士で対戦するとお互いに自爆する展開が多かったそうです。
チェスの分野では1997年にコンピューターが人間に勝ちましたが将棋はチェスに比べ戦場が広かったり駒を使えたのでコンピューターが勝ち難い時代が続いていました。
2006年にホサンナというコンピューター将棋が世界大会で初優勝しましたが制作者は将棋をよく知りませんでした。
コンピューターに江戸時代から棋譜が残っている50万ほどの対局を記録させました。3つの駒の図形を記録、多い図形を勝利の図形として登録しました。
ホサンナの制作者はソフトの内容を惜しみなく発表しました。今回プロ棋士に勝利したGPSはホサンナよりコンピューターの数が多く瞬時に評価関数の高い手を指してきました。
今回の対局では41手目に三浦弘行八段が歩で攻めた時に取りにくるか…と思いましたが8四銀と上げてきました。三浦弘行八段はコンピューターは悪い手を指した…と内心喜びましたが以後劣勢が続き困った顔が印象的でした。
評価関数では8四銀が一番高く2番目が歩をとるでしたが見ていた将棋関係者8四銀を新定石だと表現しました。
三浦弘行八段はキツネにつままれたようだ…と対局後の感想を述べました。
医者のカルテは将棋の棋譜のように患者の病気の経緯が記されていますがこれに人工知能を使えば新しい医療体系が出来るのではないか…と期待されていました。
世の中の進歩は凄まじい…と感じた30分でした。
2013年07月15日 Posted by プラネマン at 20:51 │Comments(0) │科学系のテレビ番組
日本の鯉がいなくなる…


カメラはまず琵琶湖に行きました。地元の漁師さんに話を聞いたところ鯉の漁獲高が減り幻の魚になりつつある…という話でした。
続いて琵琶湖博物館に行きました。水槽が2つあり普通の鯉と呼ばれる平べったい魚と野鯉と呼ばれる細長い魚がいて別々の水槽に飼われていました。
池に鯉と野鯉を放しました。普通の鯉は人間が来ても逃げず野鯉は人間が近づくとあっという間に逃げてしまいました。
シーボルトは日本動物誌で通常鯉と呼ばれるキプリヌスカルピオという鯉と野鯉と呼ばれるキプリヌス、メラノータスと名付けた2種類の鯉を紹介しました。
シーボルトは野鯉を見て全くの新種なのではないか…と意見をしましたが研究者はシーボルトの意見を退けました。
しかしシーボルトは正しかったのでした。2004年に鯉ヘルプスが大流行して全国で大量の鯉が死にました。調査してみると野鯉が圧倒的に死んでいました。
通常鯉と呼ばれる品種は1種類しかなく琵琶湖で死んでいた鯉は別のDNAをもっていました。野鯉は別のものだと調査でわかりました。
野鯉は世界で唯一琵琶湖だけに存在するものだとわかりました。
鯉のぼりは野鯉がモデルになっていたそうで日本にいた鯉はかつてはほぼ百パーセント野鯉だったそうです。
今いる鯉は科学者から言わせれば「わけの分からないもの」「名前のつけようのないもの」に分類されるそうです。
今いる鯉は肉付きが良い…とか人間が来ても逃げない…など人間の都合の良い形に改良されたものだと分かりました。繰り返し自然界に放流されているうちに区別がつかなくなっていったようでした。
なぜ琵琶湖の野鯉は生き延びたのでしょうか…野鯉は気道と呼ばれる浮き袋に空気を出し入れする管が発達している事が分かりました。
気道が発達していたので深く潜れ広い琵琶湖の深い場所で放流したものと住み分けが出来て生き延びる事に成功したそうです。
人間が放流した鯉を駆除してしまうと植物界のバランスが崩れ自然界に悪影響があると予想され駆除出来ないそうです。
人間が都合よく作った鯉が古くからいる鯉を苦しめているのが因果だな…と思いました。人間のエゴが自然界を乱していた現実を知り衝撃的な内容の番組でした。
2013年06月03日 Posted by プラネマン at 06:18 │Comments(0) │科学系のテレビ番組
南極大陸に秘密の楽園…氷の下に湖が…


南極大陸は日本の面積の約37倍で地球上の氷の90%を占め厚さは2千メートル、風速60毎秒のブリザードが吹く氷漬けの世界です。地面が露出している場所はごく一部だけです。
オーストラリアの科学者が飛行機に特殊なレーダーを積み込み氷の下を調べ5年、地球4周分の距離を飛び調査をしました。
南極大陸のほとんどは海面以下にあります。氷が思いので大陸プレートが100〜200メートル押し潰されます。今年の2月に南極大陸の最新地図が完成しましたが南極大陸列島という感じでした。
氷の下に川や湖がある事が確認され氷底湖と呼ばれる場所が379個発見されました。
しかし氷底湖は光が一切届かず光合成が出来ず外とは孤立している世界でした。
ロシア、イギリス、アメリカが氷底湖の調査をしました。南極大陸にあるロシア基地の数は世界一です。深さ4000メートルの琵琶湖の20倍の大きさのボストーク湖を調査しました。
1991年から1日10メートルずつ掘り進め22年ついに到達しましたが掘削に使った油が氷に混ざり生き物の探索は困難になりました。
イギリスは南極大陸観測の歴史は200年になります。最新の機械を持ち込みましたがまさかの燃料切れでダメになりました。
アメリカは調査に成功しました。そこで原始的な微生物を発見しました。大きさは数マイクロメートル、5種類の生物を発見しました。微生物を培養してDNAを取り出すことに成功しました。結果が楽しみです。
南極大陸には棚氷と呼ばれる海に巨大な氷の蓋をした状態の場所があります。去年の1月に北海道大学の研究チームがラーセン棚氷という場所を調査しました。
ラーセン棚氷は2002年に温暖化で氷が崩壊して5千年以上蓋をされていたものが現れた状態になりました。
そこには海ユリの仲間やウニやヒトデの仲間、ナマコの一種や海綿の一種など珍種の生物が発見されました。この場所は敵が少ない事や競争がなくお互いが共存していました。
南極大陸の氷は氷河になっていて海に向かって流れていますがラーセン棚氷付近は1年で氷河の流れが8倍になりました。ラーセン棚氷があった時はお風呂の蓋をしてある状態でしたが崩壊した事により蓋の栓が抜けた状態になったようです。今後生態にどんな影響が出るか注目しています。
南極大陸は生きているんだな…と感じ感動的でした。南極大陸の共存共栄や新しい発見に期待したいと思いました。あっという間の30分でしたが密度が濃い時間でした。
2013年05月20日 Posted by プラネマン at 00:56 │Comments(2) │科学系のテレビ番組
海の森が消える…海底砂漠化のミステリー

始めにカメラは北海道沿岸の海を映しました。海草も光合成するそうです。続いて静岡県の海を映しました。海草が魚の隠れ家になっていて海の営みを表していて命の源のようでした。しかしこのような海の営みは過去の話になりつつあるそうです。
長崎県五島列島の小値賀島をカメラが映していました。そこには昆布が1本も生えていない磯焼けという状態でした。小値賀島はかつてはアワビの漁獲高日本一になった事がありますが現在では1/200まで落ちこんでいました。磯焼けはそこにあった動植物まで減らしてしまいますが海のある39県のうち35県で確認されているそうです。
カメラは山口県に行きました。そこの海には海草の葉がない立ち枯れという状態や海草の表面が白くなり体力が弱り他の生き物がついている状態でした。コンブの仲間のアラメを育てる実験をしました。25度で育てれば順調に成長、30度で育てると葉に穴が空く事が分かりました。アラメは10〜15度で成長、25度で成長率が落ちて1度上がるとガラリと変わるそうです。海水温の上昇が植物に与える影響を表していました。
カメラは海底砂漠化の真犯人を求めオーストラリアのタスマニア島に行きました。そこは世界一のコンブの産地でジャイアントケルブというコンブは世界最大のコンブで大きいものは100メートルになるそうです。
しかしタスマニア島の東海岸でケルブの90%は絶滅、犯人はシー、アーチンと呼ばれるウニでした。海の砂漠化が進んでいる場所にはウニが大量発生しているそうです。
海の中ではコンブが浅瀬、ウニが深瀬と住み分けが出来ていました。ウニは流れ藻という流れてくる海草を食べていました。しかし海水温が上昇すると流れ藻が減り生きているコンブを食べるようになり海の中の生態が変わってくるそうです。
サンゴモという海草があります。サンゴモからジブロモメタンというウニが大人になるための変化を40倍のスピードで進めるエネルギー源を与えます。この頃はウニの死亡率は本来高いはずですが死なずに成長してしまいます。ウニは飢餓体質が強くコンブが減ってもサンゴモを食べて生き残るそうです。
これだけウニが繁殖するのなら刺身や寿司にして食べれば良いだろう…と思いますが生態系の崩壊により中身はスカスカになっています。
北海道で海に肥料を巻く試みが始まりました。海は繊細で1度生態系が変わると元に戻りにくいといいます。どうか豊かな海に戻って下さいと願わずにはいられませんでした。
2013年04月22日 Posted by プラネマン at 23:49 │Comments(0) │科学系のテレビ番組
湖に眠る奇跡の堆積物

福井県にある水月湖という湖の中央にやぐらを組んで何かを調査していました。調査の内容は世界史の教科書を書き換えてしまうほど凄い内容との事でした。
水月湖は特に名産物や有名なものは無く地元の人に水月湖についてインタビューをしても興味がない状態でした。やぐらから調査用の金属性の柱が出てきましたが出てきましたが泥のようでした。
5ミリほどの泥の中に縞模様がありましたが年縞堆積物といい38213年プラスマイナス84年前のものだと分かりました。
水月湖は水深34メートルですが春にはプランクトンの死骸が重なり梅雨には雨で流された細い土が重なり秋には落ち葉が重なり冬には水分中に溶けていた鉄分が重なりこれが規則正しく毎年繰り返され積もって年縞と呼ばれるようになりました。この年縞がとても正確な年代の目盛りとなる事が分かりました。
地球の大気の中に漂う炭素14という物質がありますが炭素14は地球上の全ての生物に炭素14が含まれています。日本最古の土器を例にすると土器についていた炭素14を調べたところ16900年前のものだと分かりました。水月湖の年縞から炭素14を調べると土器は16652年前のものだと分かりました。
ニューカッスル大学教授の中川氏がゲストで登場しました。水月湖の年縞の誤差は1万年でプラスマイナス30年と正確な資料になるという事で去年7月に水月湖のデータが世界に認められこの分野の世界基準が水月湖の年縞堆積物に認められました。
かつてグリーンランドの氷厚が地球の気候変動の調査用の資料として使われていました。その資料から3年で5度上昇していた時期がある事が分かりましたが水月湖の年縞にある花粉を調査するとグリーンランドで5度上昇していた時期に緩やかに上昇している事が分かりグリーンランドだけの調査では無理があることが分かりました。
水月湖の近くには湖が5つありますが水月湖は真ん中にあり海や川と繋がっていなかった事で年縞が汚れなかった事、
無酸素状態で他の生き物が住んでいなくて年縞が荒らされなかった事、
通常湖は1万年〜3万年で底が上がって行きますが水月湖は近くに断層があり浅くなる事はなかった‥
など奇跡的な保存が出来て世界有数の天然の記録計になり地球の歴史が描かれていました。2011年には南米グアテマラにも年縞が見つかりました。マヤ文明は9世紀に衰退しましたが原因は干ばつ説が有力でした。しかしグアテマラの年縞には干ばつの記録はなく干ばつ説が覆されました。
年縞の調査によっていろいろな歴史が変わってきました。奥深い内容でしたが上手く伝わらず申し訳なく思います。水月湖の年縞によって様々な発見がある事を願っています。
2013年02月08日 Posted by プラネマン at 23:37 │Comments(0) │科学系のテレビ番組
激減の真相 うなぎはどこに行った?

番組の最初に透明な小魚が登場しましたがうなぎの赤ちゃんという事でした。うなぎは去年8月ではキロ4700円以上になるといい一昨年の出荷量からみれば去年8月では4割減、このままでは絶滅種になってしまうとの事でした。そんな中でうなぎの赤ちゃんが人工で誕生したのは大きなニュースでした。
うなぎはどこで生まれるのか分かっていませんでしたが2009年にグアム島沖で日本うなぎの卵が見つかったそうです。
うなぎの遥かなる旅路が解明されました。6月の新月の晩に数十億の稚魚が生まれるそうです。
次の段階で北赤道海流で西へ
黒潮に乗り換え日本近海へ
川登りをして一人前になるそうですが2500キロの半年間に渡り旅をするそうです。
日本にやってくるうなぎは40年前に比べ数十分の1に激減しました。これはうなぎの産卵場所が数十キロ毎南に下がっているからだそうです。エルニーニョ現象や温暖化などで雨の降る場所が東に動くと雨で海水が薄くなった塩分フロントという場所が動きうなぎもそれに伴い動きだし黒潮に乗らずインドネシア方面に行ってしまい日本に来るうなぎが激減するそうです。地球規模からすれば僅かな距離でもうなぎにとっては死滅海流にあたるそうです。
日本にやってきてもうなぎは川の逆流に逆らうのが苦手で魚のために人間が作った魚道でダメになり川の岸部の環境の悪化や人口の堤防が出来てきた事で餌が減ってしまい日本では生き残り難い環境になりました。
2010年4月8日のNHKニュースでうなぎの完全養殖の稚魚が誕生して養殖を試みてから40年目の快挙になりました。あれから2年人口うなぎは蒲焼きに出来るサイズになりました。
サメの卵をうなぎの稚魚に与えたら食べましたが水槽の底に溜まってしまうのでたくさん与えられないデメリットがあるそうです。オタリボヤという魚から出るマリンスノーという物質を食べこれを実用化出来れば養殖が可能になるそうです。日本の最新テクノロジーでうなぎの養殖が成功して欲しいと思いつつあっという間に30分の番組が終了しました。うなぎの神秘に迫った見応えのある番組でした。