NAGANO映画祭 鳥たちの越冬

11月13日に開催されたNAGANO映画祭で「鳥たちの越冬」という短編映画が上映されました。この作品は日本大学芸術学部を卒業した松下恵監督が2008年に卒業制作の作品として長野市信更町で撮影された作品です。NAGANO映画祭では従来の作品ばかりでなく日本大学芸術学部の学生の作品も積極的に公開して未来の映画監督候補の育成に力を入れているのに好感がもてます。


主人公は長野市出身で映画や舞台の裏方の仕事をしています。長野市で仕事があった帰り篠ノ井駅でハイヒールの片足が折れて転んでしまった美女と会います。

主人公の実家は学校の廃屋を利用してバレエ教室を経営しています。バレエに馴染めなかった主人公は8年前に家を出てから母親は亡くなり父親とは疎遠になっています。主人公は仕事で長野に来たついでに8年ぶりに実家を訪ねてみました。そこで篠ノ井駅で転んだ美女と会いました。美女はバレエ教室の生徒で主人公の母親が亡くなってから主人公の父親の身の回りの世話をしているそうです。


主人公は8年ぶりに父親と再開しますが父親は目が見えなくなっていました。父親は自分には息子はいない‥と言い張り‥


疎遠になっている親子に第3者が加わる事で心を開いて行く様子が描かれた秀作でした。バレエをしていた両親を白鳥に例え雪が積もったアルプスを背景に白鳥が飛び立つシーンは本当に美しく信州特有の景色を上手に活用していて必見の価値があります。クラシックコンサートで演奏するシーンやバレエを踊るシーンもあり映画は総合芸術だな‥と改めて思いました。時間制限があったと思いますがコンサートやバレエのシーンに時間をかけて欲しかったと思いました。暗闇の中で主人公と篠ノ井駅で転んだ美女が話をするシーンがありましたが真っ暗で何も見えずもう少し工夫すればよかったと思いました。


鳥たちの越冬を撮影した松下恵監督は母親が長野県出身で信州に縁があり、今回長野市信更町をロケ地に選んだのはながのフィルムコミッションといい長野市で映画やドラマの撮影を通じ街起こしを推進する団体のホームページで撮影の舞台となった学校の廃屋の写真を見た松下恵監督は気に入ってホームページにあった長野市信更町吉原の地名を頼りにレンタカーを借りて学校の廃屋を発見して気に入って撮影しようと決心したそうです。若者の持つ行動力、映画に対する情熱を感じて見に行って本当によかったと思いました。松下恵監督の今後の活躍に期待と注目をしたくなった作品でした。


今年のNAGANO映画祭は活弁で映画文化の原点を感じ、未来の映画監督の育成があり、あまりテレビで見れないドキュメンタリー作品を見て映画の魅力や奥行きの深さを感じた素晴らしい映画祭でした。シンポジウムも素晴らしく映画館の魅力を再発見して改めて映画の良さにふれました。長野県出身の映画関係者もたくさんいた事を知り長野県に映画文化が根付いて欲しいと思いました。とまれ映画祭の関係者の皆様素晴らしい映画祭をありがとうございました。来年も楽しみです。  


2010年11月17日 Posted by プラネマン at 06:03Comments(0)NAGANO映画祭

NAGANO映画祭 ビルマVJ

11月13日に開催されたNAGANO映画祭でビルマVJ消された革命を見ました。アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた作品で惜しくもザ、コーヴに敗れはしたもののギチャード、ギア氏など著名人に評価され40以上の国際的賞を受賞した力作です。


2007年9月、僧侶が先頭に立ち民衆がビルマ軍事政権に抗議の声を挙げた消された革命。情報統制をくぐり抜け、命懸けの隠し撮りで全世界にその状況を配信したビデオジャーナリスト=VJたちのドキュメンタリー映画です。


ビルマという国は全く馴染みがなくビルマに素手で闘うムエタイを過激にした幻の格闘技があると聞いた事があるくらいで東南アジアの地図を広げビルマの場所は何処か?と聞かれても全く分かりませんでした。アウンサンスーチーさんがニュースになる事がありましたが世界の片隅での別世界の事だと思い全く興味がなくほとんど白紙の状態での鑑賞でした。


初めに1988年の革命についての話がありました。学生を中心に軍事政権に立ち上がったものの3千人を超える死者を出し制圧された事件があったそうです。僕は当時21才の専門学校生でした。天安門事件があった少し前だと思いましたが全く知らず自分と同年代の若者が命懸けで生きていた頃にバブルの真っ只中といえ平和ボケしていたな‥と反省の気分から見始めました。


画像は全て隠し撮りで見つかったら捕まってしまうという緊張感が伝わって来てスクリーンに釘付けになってしまいます。民衆に僧侶が加わり大規模な行進をしてアウンサンスーチーさんに会いに行った時は何か目頭が熱くなってしまいました。


日本でもニュースになった日本人ジャーナリスト長井健司氏の殺害の現場もVJの画像に写っていました。日本人の中でも閉ざされた国の真実を伝えようとしたジャーナリストがいたのか‥と思うと惜しい人を無くしたと思います。人が命懸けでした事は第三者の魂を揺さ振る事が多いですが拷問や投獄の恐怖に対して真実を伝えようとするVJに感動した熱いドキュメンタリーでした。

上映終了後長野県御代田町出身のフォトジャーナリスト山本宗補さんのトークショーがありました。山本宗補さんはかつてアウンサンスーチーさんのインタビューをした事があり現在はビルマ政府のブラックリストに載っていてビルマに入国が出来ないそうですが日本のマスコミが伝えないビルマの話が聞けて見に行った甲斐がありました。


アウンサンスーチーさんは軟禁されていて15年間家から出られない事や外国に行ってビルマの現状を訴える事が出来るのにそれをしなくて国の中から変えて行こうとしている事など興味深い話が聞けました。


日本とビルマの関係ですがビルマは旧日本軍の植民地でタイ国国境の鉄道は現地の人の強制労働で作られたもので現軍事政権が旧日本軍の悪い伝統を引き継いでいて今だに無茶な強制労働をしているそうです。日本はビルマに対して道義的責任があり民間レベルでもどうにかしなければいけないと思いました。


21世紀になってもこんな閉ざされた国があるのか‥と驚きでしたが上映後アウンサンスーチーさん解放のニュースが流れると大きな拍車が起きました。閉ざされた国が早く民主化するように願うばかりです。映画というのは地理や歴史を含めた総合学習だな‥と改めて思いました。  


2010年11月16日 Posted by プラネマン at 06:18Comments(0)NAGANO映画祭

映画館がある風景 新映画館主義

昨日11月14日にNAGANO映画祭のイベントの一つとして「映画館のある風景」〜新、映画館主義というシンポジウムが開催されました。


シンポジウムの始まりは長野市出身の映画研究者の森本純一郎さんより全国的映画館の傾向から見た長野市の映画館状況のお話がありました。全国的傾向では大手のシネコンが出来ると古くからある地元の映画館が無くなる傾向にあり松本市でもシネコンが出来たため街中の映画館が姿を消して行ったのに長野市では古くからある2映画館が独自の企画を打ち出しシネコンと住み分けをして残っているのは全国的に珍しいという話がありました。


次に長野市内3館の各代表による映画館状況のお話がありました。千石劇場さんは昭和25年に設立の老舗です。東映系の作品を中心に単館系を上映しているそうです。固定費をやり繰りして頑張っているそうです。長野ロキシーさんは90年を超える日本最古級の老舗の映画館で僕のお気に入りですが他の2館より大手配給会社の作品が少ない分名画特集などお客さんのリクエストに合わせ上映して他の2館よりお客さんとの距離が近い感じがしました市街地の空洞化で権堂もかつての活気はありませんが逆風に負けず頑張って欲しいと思います。長野グランドシネマズさんはいつ前を通っても人がたくさんいて繁盛しているイメージがありましたが他県のシネコンは郊外に駐車場付きのワンフローのタイプが多いそうですがグランドシネマズさんは子供やお年寄りでも公共の交通機関を使い気軽に来れるように街中にこだわったために4階建てにしたり街中で家賃が割高になったり規模が大きい分スタッフの給料など想像以上に固定費がかっているそうです。グランドシネマズさんも独自のイベ
ントを考えているそうで楽しみにしています。市内3館共にお客さんには分からない苦労もあるようですが不景気や娯楽の多様化の中で頑張っている事を知り嬉しく思いました。


次にゲストのお話で東京でポレポレ東中野、下北沢トリウッド支配人の大槻貴宏さんのお話がありました。大槻貴宏さんは長野県出身で短編作品中心のトリウッドとドキュメンタリー作品中心のポレポレ東中野と独自の映画館経営をしているそうです。


十日町シネマパラダイスを経営する岡本眞弓さんのお話がありました。中越地震で十日町に唯一あった映画館が半壊して閉鎖になり地震から3年後に映画館を立ち上げたそうです。テレビで宣伝していたり話題作の上映がないため中々客足は伸びなかったそうですが市内の小中学校に学校鑑賞会の話を持ちかけ未来の映画ファンの育成に力を注ぐなど独自の活動に注目したいと思います。


上越映画鑑賞会の増村俊一さんの話がありました。新潟県上越市で街中に残る古い映画館の再生についてお話がありました。雨漏りがひどいとか受け継ぐにあたり椅子の入れ替えに苦労したなど興味深い話が聞けました。地元の活性化や劇場の再生に熱く語る増村さんのお話に引き込まれてしまいました。


見る側の代表として大阪芸術大学教授の重村隆文さんのお話がありました。重村さんは40年近く一貫して映画館主義者でそのこだわりにはだだ脱帽するばかりでした。重村さんの影響を受けて映画館にハマってしまう学生が年に何人か出るそうですが若い頃に重村さんに出会いたかったな‥と思いながらお話を聞いていました。


映画祭に出演した映画業界からのゲストとして中西健二さん長野市出身の小林雄次さんから映画館についてお話がありました。映画館を運営する立場の人、制作サイドの人、見る側の人いろいろな立場の人から映画館に対する熱い思いが伝わってきてシンポジウムに参加して改めて映画館で映画が見れる喜びを感じてしまいました。長野市内には3館の映画館があり長野市はいい街だな‥と思いました。


僕はケーブルテレビを引いているので洋画、邦画共に24時間見れます。しかし映画館で映画を見る喜びを知ってしまうと物足りなく感じてしまいます。テレビやDVDで簡単に見れると面白くないから早送りしよう‥とか真剣に見ない傾向があります。劇場に足を運ぶとつまらないなりにも何か見つけて帰ろ‥と思い作品に対する思いが違ってくると思います。最近見た作品の中では袴田事件やビルマの消された革命、温暖化で沈んでしまうツバルという島などテレビ、新聞では深く取り上げてくれない分野を詳しく描いてもらい知的好奇心が満たされDVD化されたり人があまり話題にしない作品の中に面白さがあるのではないか‥と思っています。今回のシンポジウムに参加してみて長野県近郊でも個性的な活動をしている映画館がある事を知りました。知らないだけで独自の活動をしている映画館があると思いますがそちらにも機会があったら出かけてみたいと思いました。ゲストの皆様関係者の皆様素晴らしいシンポジウムの機会を与えていただきありがとうございました。  


2010年11月15日 Posted by プラネマン at 06:06Comments(0)NAGANO映画祭

NAGANO映画祭映画原点満喫

個人的に毎年楽しみにしている晩秋の風物詩NAGANO映画祭が始まりました。昨日11月13日に映画祭会場の長野ロキシーさんに行ってきました。


初めに見たのは無声映画の活弁ライブです。活弁とは無声映画や活動写真などに語りを入れる大人版の紙芝居みたいなイメージをしてもらえばいいと思います。2年前の5月に長野ロキシーさんで初めて活弁を見てからその面白さに映画の奥行きの深さを感じファンになりましたが中々上映の機会は無く久しぶりの開催の朗報を聞き上映当日が待ち遠しかったです。


開演10分前頃に会場に入りましたがロキシーさんで一番大きなロキシー1はすでに満員で熱気がムンムンしていて僕と同じように活弁の開催を楽しみにしていた人が多かったと思うと何か嬉しかったです。


今回の弁士は2年前と同じ澤登翠さんでした。澤登翠さんは1973年にデビューした日本を代表する弁士で500本以上のいろいろなジャンルの無声映画の活弁を勤めたそうです。先月末には茅野市で開催された蓼科映画祭でも活弁を上映して各地の映画祭を中心に全国から講演の依頼があるそうです。来週は海外から来る映画関係者と活弁についての商談があるそうで活弁の面白さは知る人は知っているんだな‥と嬉しく思います。


今回の活弁は2本立てで最初に1935年の作品子宝騒動が上映されました。子宝に恵まれている福田家には6人の子供がいますが妻は7人目を妊娠しています。これからお金がいるのにご主人は失業中で電気、ガス、水道と止められてしまいます。子供が生まれそうになり産婆を呼びに行きますが産婆は福田さんがお金を持っていない事を知り相手にしません。


産婆は違う家に行ってしまいますがその家はお金持ちで産婆が見ていたのは豚だと知り福田さんは女房が豚に生まれてくれたら‥と嘆きます。出産費用が無くて弱っている福田さんですがお金持ちの家の豚が逃げ出してしまい捕まえた人には500円の懸賞金が出ると聞きます。勇んで豚を捕まえようとする福田さんですが500円の懸賞金が出ると聞くと皆それぞれの役目を放棄して豚を捕まえに行きます。福田さんは豚を捕まえ懸賞金をゲット出来るでしょうか‥

34分と短めの作品でしたがドタバタコメディで終始笑い続けていました。澤登翠さんの語りは最高でしたがラクビーのシーンは大笑いしてしまいました。今年一年分くらい大笑いした作品でした。


休憩後2作品目の瞼の母が上映されました。1931年の作品でヤクザ者の忠太郎は5才の時母親と生き別れになります。瞼に焼き付いている母の面影を支えに生きてきますが風の噂で忠太郎の母親らしい人物の存在を知ります。


忠太郎は生き別れになった母親が惨めな暮らしをしていてはいけないと思い百両の大金を常に懐に入れていました。道中自分の母親と同年代の女性が困っているのを見ると暖かい手を差し伸べます。その中の1人の女性が忠太郎の出身地にいた事がある女性を知っていると言います。忠太郎はその女性の情報を頼りに会いに行きますが‥


上映時間65分の人情時代劇でした。澤登翠さんの語りにウルウルさせられてしまいました。10代の山田五十鈴さんが可憐な娘役を演じ強烈な個性を放っていました。


ドタバタコメディで大笑いして人情時代劇でしんみりして活弁の魅力を満喫出来た素敵な1日でした。今回の活弁には澤登翠さんの他に無声映画の生演奏を担当する楽団カラード、モノトーンさんが特別出演しました。湯浅ジョウ一イチさんのギターと三味線を上手く使い分けた生演奏が最高でした。バイオリンの古橋ユキさんは桐朋学園音楽学部在学中にプロとしてアルゼンチンのブエノスアイレスでタンゴクラシックの演奏活動をしたそうで現在もブエノスアイレスで演奏活動をしている本格的なバイオリストで活弁に素敵なバイオリンの音色で花を添えてくれました。休憩中におせんにキャラメルの販売もあり映画の原点にめぐりあったみたいで古き良き時代の映画の原点にめぐりあったみたいで最高でした。


中々見る事が出来ない活弁ですが日本最古級のロキシーさんが活弁のメッカになって映画の原点を語り継いで欲しいな‥と思いました。とまれ澤登翠さんと生演奏で盛り上げてくれた湯浅ジョウイチさんと古橋ユキさん、映画祭の関係者の皆様日日常的な空間を演出していただきありがとうございました。楽しい一時でした。  


2010年11月14日 Posted by プラネマン at 09:58Comments(0)NAGANO映画祭

権堂奈良堂 ビルマ写真展開催中

今日11月12日より個人的に楽しみにしているNAGANO映画祭が開催されます。11月13日には長野ロキシーさんで「ビルマVJ消された革命」という2007年にビルマで起きた「消された革命」で情報統制をくぐり抜け命がけの隠し撮りで全世界にその状況を配信したビデオジャーナリストたちのドキュメンタリーが公開されます。


映画祭期間中いろいろなイベントがありますが11月15日まで権堂にある喫茶奈良堂さんで御代田町出身のフォトジャーナリストの山本宗補氏の撮影したビルマ写真展が開催されます。

奈良堂さんは閉館になった映画館旧東宝中劇の近くにあります。いろいろなブロガーさんに紹介された事があり前から行ってみたいと思っていたので映画祭にあたり昨日11月11日に行ってきました。


仕事が終わった9時過ぎに行きました。時間的に営業しているのか心配でしたが営業していてよかったです。店内は落ち着いた雰囲気で歴史ある店内は居心地がよかったです。写真展は店内の壁に写真が張られていましたが2階にも写真が張ってあり馴染みのないビルマに興味を持ち公開が待ち遠しくなりました。


飲み物は写真のホットココア525円を頼みました。クリームがたくさん入っていて自動販売機で買う缶のココアと大違いで身体が心底から暖まりぼんやりしていると1日の疲れが癒され長野市内にこんなにゆっくり出来て美味しいココアを出す店があるのか‥と驚きでした。


店内には映画やコンサートなどの催し物のチラシがおいてありいろいろな情報を知りありがたかったです。写真展も素晴らしく映画祭当日が待ち遠しですが美味しいココアに大満足でした。奈良堂さんのメニューを全て制覇してみたくなりました。1日の疲れが癒され美味しいココアで身体が暖まった素敵な夜でした。  


2010年11月12日 Posted by プラネマン at 06:53Comments(0)NAGANO映画祭

今週土曜日ロキシーさん活弁上映

今週末NAGANO映画祭が開催されます。長野市内の3映画館を会場に開催されますが土曜日13日は長野ロキシーさんが主会場になります。いろいろなイベントが開催されて楽しみですが特に楽しみにしているのは活弁が開催される事です。

一般の人は活弁といっても馴染みがないと思いますが活動写真、無声映画などの上映中にその内容を語りで表現して解説する専門家の事をいうそうです。


僕が初めて活弁を見たのは2年前になります。当時相生座名画特集として小津安二郎特集があり小津監督作品が期間中6作上演されました。初めは何かモノクロの世界だな‥という感じでしたが結婚適齢期の父娘の気持ちに共感出来たり現代にも通じる人間の営みを見事に描いて期間中全作品を見ました。


小津安二郎特集のフィナーレと長野ロキシーさん設立90年のイベントとして「生まれてはみたけれど」が活動弁士澤登翠さんを招いて上映されました。チケットは完売して満員で熱気ある中で開催されました。


「生まれてはみたけれどは」は昭和7年の作品で小津監督の戦前に制作した代表作品であり日本のサイレント映画を代表する作品のひとつだそうです。大人の見る絵本というサブタイトルがついているそうです。


前半は開発される前の東京を舞台にある兄弟を主人公に子供たちの遊びを中心に子供たちの世界をユーモアに描いています。後半は主人公の兄弟が父親と友達の家に映画を見に行きます。主人公の友達をA君としますが子供の世界では主人公の方がA君より強いですが大人の世界ではA君の父親が経営者で主人公の父親はサラリーマンの関係になります。主人公の父親は映画の鑑賞中終始A君のお父さんに気を使っているのを見て主人公のお父さんは偉くないんだ‥とショックを受けます。サラリーマン社会の悲哀を子供たちの目を通じて見事に描いていてスクリーンに釘付けになってしまいました。満員で熱気が充満していた館内から表に出ると夜風が心地よく映画の全盛期はこんな感じだったんだろうな‥と感動的気分で帰りました。


あれから約2年半過ぎましたが再び活弁が見る事が出来て楽しみです。撮影技術も日々進歩して新しいサイレント映画が出来る事はないと思いますが滅多に見れない活弁を見る事が出来て嬉しく思います。13日は歴史ある長野ロキシーさんでレトロな活弁を見て古きよき時代の中の非日常的な時間を楽しみたいと思います。  


2010年11月11日 Posted by プラネマン at 06:29Comments(0)NAGANO映画祭

NAGANO映画祭上映作品我心

NAGANO映画祭の上映作品で「我心」という作品が上映されました。

我心は長野市出身で日大芸術学部映画学科を卒業した宮島良季さんが3年生だった2008年に発表した10分ほどのドキュメンタリー作品です。映文連2008奨励賞を受賞した秀作です。


宮島さんが東京の上野公園で知り合った初老の男性が登場します。


男性は絵を描く事が好きで上野公園で似顔絵を書いて生計をたてていますが経済的は恵まれている訳ではありません。

男性は身寄りが無く簡易宿舎やカプセルホテルを転々としています。そんな男性の日常をフィルムに撮りインタビューをします。


始めは画の道をひた走る男性に対して「画心」とタイトルをつけるつもりだったそうですが、男性から信念みたいなものを感じて「我心」と名付けたそうです。

男性は独り身であり経済的に恵まれていなくても絵の道に40年生きてきて後悔していないと言います。


僕も40を過ぎて独り身で経済不況をもろに受けている中であの時あーすればよかった、こーすればよかったと振り返る事が多くなりましたが初老の男性の信念や力強さに強烈なパワーというかエールをもらったようでした。


42歳の僕の悩みや不安に対して見事に的を得た作品でした。映像のもつ力を改めて感じてしまいました。

正直なところあまり期待していなかったので始まる前と見終わった後のギャップは強烈でした。


見終わった後、質問の時間がありました。普段は人前だと発言する事はないのですが感動のあまり発言してしまいました。


わずか10分間でしたが、宮島さんは20時間のフィルムを使用したそうで熱い作品でした。

宮島良季さんのこれからの活躍を期待したいと思いますが、宮島良季さんや古川雄大さんなど長野県出身の若手がいろいろな分野で活躍していてこれからが楽しみです。そして若手にスポットを当てた映画祭も素晴らしいと思いました。  


2009年11月19日 Posted by プラネマン at 06:42Comments(0)NAGANO映画祭

NAGANO映画祭古川雄大さん

11月14日NAGANO映画祭で高山村出身の古川雄大さん主演(僕らはあの空の下で)を見てきました。


会場に行くと若い女性の行列が出来ていて驚きました。長野ロキシーさんは単館系の映画や名画が多いので若い女性の客層は少なく、普段見慣れない若い女性の行列に圧倒されると同時に開演まで時間があるのに熱心に並んでいる女性達を見て高山村出身の古川雄大さんとは何者なのか?と興味を持ちました。


当初は(高校3年生)を見て帰るつもりでしたが(僕らはあの空の下で)を見て帰ろうと思いました。

会場の9割は若い女性でした。僕が長野ロキシーさんに通いだして2年になりますがおくりびとやエバンゲリオンで混雑したことはありましたが若い女性に劇場をジャック?されるのは初めてでその熱気に圧倒されてしまいました。


古川雄大さんは長野にいた頃からダンスやバレーを習い、芸能界デビュー前は東京ディズニーシーでダンサーとしてステージに立っていたそうです。ミュージカルのテニスの王子様にも出演しています。


作詞、作曲も手掛けて最近アルバムを出したばかりだそうです。映画は「書の道」という作品が古川雄大さん出演作で近日公開予定で声優にもチャレンジするそうです。トイレで古川雄大さんとすれ違いましたが写真よりずっとカッコよかったです。


古川雄大さんは翌日ライブがあるそうなので故郷でゆっくりする事もなく東京に戻るそうです。映画の上映前に舞台あいさつがありました。


撮影のエピソードやコンビニの話など盛り上がりました。最後に3人にサイン入りポスターと1名に花束贈呈の抽選会が行われました。

僕はクジ運はないので当たらないと思っていましたがポスターが当たりました。ステージに上がり古川雄大さんと握手してもらいましたがのぼせあがってしまい記念撮影をしてもらうのを忘れてしまいました。


映画の話に戻りますが、主人公の古川雄大さんは漫画家志望の高校生です。毎回投稿しますがいつも予選落ちします。

そんなある日、アメリカから転校生がきます。転校生は漫画家志望でいつもアメリカから投稿してボツになっている男と同姓同名と気が付き主人公と転校生は意気投合します。


主人公がマンガを書いて転校生がストーリーを描く事になり夏休みの間二人の共同作業が続きます。


転校生は母親が病気になり日本で手術するので期間限定で日本に来ていますがアメリカに帰らなければいけなくなりました。


転校生は主人公にアメリカに帰る事を上手く伝えられず、主人公は人からその話を聞いた事に怒ってしまい…

ちょっとした事ですれ違ってしまう高校生の繊細さを見事に描いています。この映画には転校生の母親しか女性の出演がなく高校生同士の友情を描いていました。

青春時代の爽やかさとやりきれなさを見事に古川雄大さんが演じています。

大人になり人付き合いもビジネスライクになってしまった現在、相手を思いやる友情に高校時代の純情さが懐かしく感じる映画でした。

途中、古川雄大さんの作詞、作曲した歌も聞かれますがこれも素晴らしかったです。


古川雄大さんの今後が楽しみです。映画祭最後まで残っていてよかったと思いました。
  


2009年11月16日 Posted by プラネマン at 06:43Comments(0)NAGANO映画祭

NAGANO映画祭  高校3年生

個人的には3回目となるNAGANO映画祭に行ってきました。朝方は強い雨が降り客足が心配でしたが午前中には止みました。


会場の長野ロキシーさんに着くと広場で音楽家の演奏会が行われ人集りが出来ていてお祭りムード一色でした。


高校3年生からの鑑賞でしたが会場に着くと年輩の方を中心に行列が出来ていて、昭和38年と今から46年前の作品で僕が生まれる前の作品でしたが行列を見ると多くの人に愛されていた作品だと感じました。


ヒロインの姿美千子さんは老舗の織物問屋の娘ですが頑固なおばあさんが仕切っていて堅苦しい日々を過ごしています。


姉の浜田ゆう子さんはそんな家がいやで恋人の下宿に家出してしまいます。その家出先が倉石功さんの家でした。携帯電話がない時代なので倉石功さんが浜田ゆう子さんと姿美千子さんの連絡役をする事になり、姿美千子さんと接しているうちに二人はお互いを意識するようになっていき…


同時進行で船木一夫さんは銀行の支店長の娘を好きですがついついと意地悪な事をしてしまいます。銀行の支店長の娘は先生に気があって…


去年の映画祭にゲスト出演した倉石功さんが舞台あいさつで高校3年生の話をした時、いつか上映したいという話になり今回の上映が決定たようです。


全然予備知識は無く船木一夫さんが主役と思っていたくらいでしたが、笑いありで46年前でも若さというか青春時代のエネルギーが伝わってくる作品で見終わった後清々しい気分になりました。


倉石功さんも船木一夫さんもまだデビュー間もなくセリフなどぎこちないところがありましたがそれも逆に魅力的でした。浜田ゆう子さんや名前は分からなかったですが銀行の支店長の娘役の女性も素晴らしかったです。


この映画の中で好きなシーンは船木一夫さん達がみんなでそろばんでリズムをとり合唱しているところで生徒同士の絆が今よりも深かった気がして羨ましかったです。


進学組のがり勉に対して、高校は大学進学の予備校じゃない!と言った事が強烈でした。 


僕はがり勉とは少し違いますが進学希望で学校行事をないがしろにしたり自分から同級生に距離を置いたりして遠くの大学進学ばかり夢見ていましたが高校時代しか出来ない事もあるのだとこの映画を見て強く感じ高校時代の過ごし方を間違えたような気がしました。

倉石功さんは長野日大高校の前身の長野中央高校の一期生でかつての同級生もたくさん応援にきていました。

倉石功さんは客席の一番後で高校3年生を見ていたそうですが目頭が熱くなってきたそうです。僕が多くを語らずとも数多くの映画、ドラマに出演してきた倉石功さんの思い入れを見ると年代に関係なくかつて高校3年生だった人の心に何かを訴えてくるものと思います。

倉石功さんは現在舞台を中心に活躍しているそうですがこれからの活躍を期待したいと思います。映画祭実行委員会の方は埋もれてしまいそうな名作を上映していただきありがとうございました。  


2009年11月15日 Posted by プラネマン at 08:35Comments(0)NAGANO映画祭

こまねこ

去年の11月.NAGANO映画祭でロキシーさんのスクリーンに登場したこまねこのこまちゃん。

NHKのどーも君の制作者、会田監督が人形をひとコマひとコマちょっとずつ動かしアニメーションのように作ったこま撮り映画です。

手間がかかっている分スタッフの愛情が伝わって来て、小さな子供から大人まで世代を越えて楽しめる映画だと思います。


店舗によって異なりますが、モスバーガーでキッズセットを注文するとこまちゃんのぱらぱら絵本がもらえます。


オリンピックスタジアム近くの篠ノ井バイパス沿いのモスバーガーに行ったらこまちゃんを取り扱っていました。


390円のキッズセットはチキン野菜バーガーとポテトのSサイズと野菜ジュースにこまちゃんのぱらぱら絵本が付きます。

僕がもらったのはその8で何種類かあると思います。

カメラの調子が悪く上手く撮れませんが、ロキシーさんでマナー広告でこまちゃんが出るときがあるので写真より動いているこまちゃんを御覧ください。  


2009年04月29日 Posted by プラネマン at 11:58Comments(0)NAGANO映画祭

映画  黒い死球

当時ブログをしてなかったので、少し前の話になりますが、11月に行われたNAGANO映画祭に行ってきました。 こまねこ、TAIZO,黒い死球の三本見ました。 こまねこ、かわいかったです。動きがなんとも言えなくかわいい、ほのぼのとした作品でした。 ロキシー2で、こまねこのマナー広告をしています。こまちゃんかわいいのでロキシー2の作品を優先に見ています。


TAIZOは、戦禍のカンボジアに魅せられ26の若さでこの世を去ったカメラマンのドキュメンタリー作品 上映後、信濃むつみ高校の生徒による討論会が行われ、自己責任についてなどの討論があり、あっという間に時間がきてしまいました。
黒い死球は、長野市出身の倉石功さん出演の作品、僕が生まれる前の昭和38年の作品ですが、長野ロケで当時の長野駅前や駅舎がスクリーンに写ると感激してしまいました。宇津井健のセリフに権堂などの地名がでると不思議な感じがしました。内容もサスペンス物としては今見ても充実に楽しめ、プロ野球のドラフトの舞台裏や、人間の欲望を見事に描き、最近まで一場が問題、裏金問題があったのでこの作品が凄さを感じてしまいました。ゲストに倉石功さんが来場、トークショーが行われ、スケジュールがあったら映画祭に協力したいと言っていました。高校三年生の話もありロキシーさんで上映して欲しいと思いました。黒い死球はDVD化の予定はなく、会場にいた人だけが見れた価値ある作品でした。 映画祭関係者の方々、お疲れ様でした。こまどり映画、ドキュメンタリー、名画と映画の魅力と深みに触れた1日でした。  


2009年01月23日 Posted by プラネマン at 06:39Comments(0)NAGANO映画祭