NAGANO映画祭 鳥たちの越冬

11月13日に開催されたNAGANO映画祭で「鳥たちの越冬」という短編映画が上映されました。この作品は日本大学芸術学部を卒業した松下恵監督が2008年に卒業制作の作品として長野市信更町で撮影された作品です。NAGANO映画祭では従来の作品ばかりでなく日本大学芸術学部の学生の作品も積極的に公開して未来の映画監督候補の育成に力を入れているのに好感がもてます。


主人公は長野市出身で映画や舞台の裏方の仕事をしています。長野市で仕事があった帰り篠ノ井駅でハイヒールの片足が折れて転んでしまった美女と会います。

主人公の実家は学校の廃屋を利用してバレエ教室を経営しています。バレエに馴染めなかった主人公は8年前に家を出てから母親は亡くなり父親とは疎遠になっています。主人公は仕事で長野に来たついでに8年ぶりに実家を訪ねてみました。そこで篠ノ井駅で転んだ美女と会いました。美女はバレエ教室の生徒で主人公の母親が亡くなってから主人公の父親の身の回りの世話をしているそうです。


主人公は8年ぶりに父親と再開しますが父親は目が見えなくなっていました。父親は自分には息子はいない‥と言い張り‥


疎遠になっている親子に第3者が加わる事で心を開いて行く様子が描かれた秀作でした。バレエをしていた両親を白鳥に例え雪が積もったアルプスを背景に白鳥が飛び立つシーンは本当に美しく信州特有の景色を上手に活用していて必見の価値があります。クラシックコンサートで演奏するシーンやバレエを踊るシーンもあり映画は総合芸術だな‥と改めて思いました。時間制限があったと思いますがコンサートやバレエのシーンに時間をかけて欲しかったと思いました。暗闇の中で主人公と篠ノ井駅で転んだ美女が話をするシーンがありましたが真っ暗で何も見えずもう少し工夫すればよかったと思いました。


鳥たちの越冬を撮影した松下恵監督は母親が長野県出身で信州に縁があり、今回長野市信更町をロケ地に選んだのはながのフィルムコミッションといい長野市で映画やドラマの撮影を通じ街起こしを推進する団体のホームページで撮影の舞台となった学校の廃屋の写真を見た松下恵監督は気に入ってホームページにあった長野市信更町吉原の地名を頼りにレンタカーを借りて学校の廃屋を発見して気に入って撮影しようと決心したそうです。若者の持つ行動力、映画に対する情熱を感じて見に行って本当によかったと思いました。松下恵監督の今後の活躍に期待と注目をしたくなった作品でした。


今年のNAGANO映画祭は活弁で映画文化の原点を感じ、未来の映画監督の育成があり、あまりテレビで見れないドキュメンタリー作品を見て映画の魅力や奥行きの深さを感じた素晴らしい映画祭でした。シンポジウムも素晴らしく映画館の魅力を再発見して改めて映画の良さにふれました。長野県出身の映画関係者もたくさんいた事を知り長野県に映画文化が根付いて欲しいと思いました。とまれ映画祭の関係者の皆様素晴らしい映画祭をありがとうございました。来年も楽しみです。


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2010年11月17日 Posted byプラネマン at 06:03 │Comments(0)NAGANO映画祭

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